女子プロ「ボール線入れ事情」何のため?何色? 青木瀬令奈、稲見萌寧の見解は

女子プロ「ボール線入れ事情」何のため?何色? 青木瀬令奈、稲見萌寧の見解は
上段左から畑岡奈紗、河本結、桑木志帆、政田夢乃、下段左から青木瀬令奈、佐久間朱莉、菅楓華、櫻井心那

◇国内女子◇Vポイント×SMBC レディスゴルフトーナメント◇紫CC すみれC(千葉)◇6668yd(パー72)

女子プロを見ていると、ボールに線を引いている人と、そうでない人に分かれる。線を入れる派と入れない派、それぞれの言い分はどんなところにあるのか。女子ツアー随一のパット名手として知られる青木瀬令奈に、ボールに引かれた線の役割やその使い分けなどじっくり話を聞いた。

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ボールの線はショートパットで活躍

女子プロ「ボール線入れ事情」何のため?何色? 青木瀬令奈、稲見萌寧の見解は
青木瀬令奈が実際に使用するボール

「私はその時に使っているパターのサイトラインに合わせて線を引きます。オデッセイの『トリプルトラック パター』を使っていた時は、トリプルトラックの線に合わせてボールにも3本線を引いていました。色も合わせるようにしていて、サイトラインが青の場合は、ボールにも青色を引きます」と言う青木。色を統一することで、集中力アップの効果があるという。

ボールに線を引くとはいえ、青木は毎回線を目標に合わせて打っているわけではないそうだ。「実際、試合ではボールの線を合わせずに打つ時の方が多いんです。合わせるのは“お先”のショートパット限定。カップの右いっぱいや左いっぱいを狙い打ちする時くらい」と短い距離のパットのみに活用している。それ以外の距離では、より感覚を重視するという。「ミドルパットや大きく曲がるラインでは線は合わせず、単にスパット(目標物)にだけ集中して打っています。線があると感覚的な距離感が狂うことがあるので、あえて線が見えないようにボールを後ろに向けて打つことが多いです」

練習グリーンで行うルーティン

女子プロ「ボール線入れ事情」何のため?何色? 青木瀬令奈、稲見萌寧の見解は
まずは“目線のズレ”を合わせるところから

青木はボールに入れる線を、試合ではなくむしろ練習で上手く活用して、パッティング技術の向上に役立ているという。

「最初に目線のズレを確認するので、その時は線を合わせません。ストレートのラインでボールから1歩先くらいの位置にマークを置き、カップだけを見て打ちます。マークの右を通るか、左を通るかで、今日の自分の向きのズレが分かります。その時に線を合わせないほうがやりやすい」。“目線のズレ”から入るというのは、パット名手ならでは。

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ズレが分かったらロングパットやミドルパットを打って調整を繰り返す。そして最後に線を使ってショートパットを打つ。「練習の時も1~1.5mの入れゴロの距離でボールの線を合わせます。ボールの芯とパターの芯がぶつかることに集中。両方の芯で打てている時は重い転がりをします。片方の芯でしか打てない人が多いので、そこをいかに神経を使って練習するかが大切なんです」と非常に重みのある言葉。

青、緑、赤…ラインの色はさまざま

女子プロ「ボール線入れ事情」何のため?何色? 青木瀬令奈、稲見萌寧の見解は
フェースと垂直になるようボールをセット

ラインの色は十人十色。パットの名手・鈴木愛は「毎回キャディさんに引いてもらっています。好きな色で指定しています」と緑色を選択。「線があった方が狙いやすい」ため、大きく切れるライン以外は合わせているという。

一方で、稲見萌寧は赤の目立つ色のラインを引いていた。「黒い線だと目力が強くなっちゃうので、なんとなく赤にしています」と、凝視しなくても視界に入ってくる赤を選んでいるという。距離の長短にかかわらず、どんなパットでもスパットに線を合わせて打っている。稲見のパットコーチ須藤大和氏によれば、「線自体は転がりを確認する目的で活用しています。調子がいい時は球が順回転し、線がブレず1本に見えます。稲見プロはフックスピンがかかりやすく、調子の悪い時は線がヨレて見える。練習の段階で線を活用してその日の球筋を毎日確認し、調整してから試合に臨んでいます」とのことだ。

女子プロの“線入れ事情”は知れば知るほど奥が深い。ボールに線を入れるのは我々も真似できるので、気になる方はぜひやってみてほしい。(編集部・仮屋美遊)

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